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システムの中の個

EMOTION the Best 攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG Individual Eleven [DVD]EMOTION the Best 攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG Individual Eleven [DVD]
(2009/10/27)
田中敦子阪 脩

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 システムの中で,個にどのような存在意義があるのか。電子ネットワークの技術が進み,個人の知識や記憶を共有する事が可能になった現代,そして未来における人間の個性とはなんなのか。
 そういった事を考えさせられる作品でした。

 我々人間は,一人一人違った個性を持っているように見える。しかし,我々を構成するパーツそのものは,例えば臓器であるとか筋肉であるとか,大きさや形など多少の違いはあれど,物質構成としては同じものだ。
 また人間そのものの性質も,一人一人の性格や体質に多少の違いはあれど,人類というくくりで見た場合,それらはまとめて他の動物と区別できる性質を見出す事ができる。極端な話,およそ人類によって「生物」と分類されているものでさえ,宇宙全体から見れば地球という環境で生きるために持つ性質に,それほどの差異は無いと言える。
 しかしその生物,例えば人間の立場から見れば,それぞれの生物,さらには人間同士でもそれぞれ異なった性質や役割を持ち,個別に機能しているという認識を持っている。

 確かに,それらを構成している最小物質は,全てにおいて同様である。生物学者のドーキンスは,「利己的遺伝子」論によっておおよその生物の性質を説明した。また,個別の役割を持つ我々も,大きな意味で共通する存在意義や性質を持つ。ガイア理論を唱えたラブロックは,地球そのものを生命体とみなして,恒常性を保つように生物が存在する事を説明した。

 個はシステムを作り,システムはそれを構成する個を生み出す。我々一人一人は,例えば社会であるとか,何らかのシステムの個に当たる存在だ。
 しかし,我々自身もあるシステムとしての性質を持ち,機能している。このように,あるシステムを構成する個がまた何かのシステムとしての性質を持つ構造を,哲学においてホロン型構造と呼ばれる。
 人間が構成するシステムは,このようなホロン型構造であるという事に,個の存在意義を見出す事が出来ると私は考えている。

 ネットにより人間の知識や経験を情報として蓄積し,共有する事が可能となった。また,ロボットやヒューマノイドといった,人間に代わる機能を有するものを作り出す事が可能となった現代。
 このような時代で,人間は従来までに果たしてきた役割とか,得てきた知識といったものにその存在意義を見出す事が難しくなった。実際には,今まで人間が行ってきたすべての事を機械やコンピュータに任せるというのは,経済やその他の問題で現実的ではないが,技術的にはほぼ可能なところまできている。
 そんな中で人間は,それぞれ自分個人としての存在意義をどこに見出していく事が出来るのか。皆同じような機械に囲まれて,同じような生活をし,同じような考え方になってしまっては,それはもはや人間社会がホロン型構造であるとは言えないだろう。同じ物質が集まって出来ただけの単なる塊だ。

 これからは,自分がシステムの一部であることを「意識する」とともに,自分と他人,また他人同士それぞれの性質であるとか,役割の違いを重視する事で自分の存在意義を絶えず自覚しながら生きていく事が重要になる。システムを構成する個がそれをを意識しなくなり,無意識に形成された総意というシステムの意思によって動き始めたとき,そのシステムは死に向かっていくのだ。 

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